概要:
楽器について
1979 年に発表された8ボイス・フルデジタル・サンプラー/シンセサイザー。8 ビットのマイクロ・コンピューターを使用したシリーズとしては,シリーズ I ,II ,IIx の 3 種類がある。
サンプリング,倍音加算方式,波形描写の 3 種類の音作りの方法がある。
当時の定価
本体価格:1200万円
アナログ・インターフェイス(I/Fユニット,基盤,改造費込):200万円
フォーマット済み 8 インチ・フロッピー・ディスク(10枚組):10万円
仕様:
●鍵盤:73鍵,Cスケール,ベロシティー15 段階
スレーブ・キーボードの仕様も上記と同じ。
●コントローラー:
フェーダー:3
プッシュ・スイッチ:2(フリップ/フロップ×1,モーメンタリー×1)
外部ペダル:3
スイッチとして使用時(オフ:1V 以下,オン:4V 以上)
ボリュームとして使用時(- 5V ~ + 5V)
いずれも何に使用するかはソフトウェアで定義する。
●プロセッサー:
モトローラ:6800 × 2
●メモリー:208 K バイト
ボイス用:16 K バイト× 8 ボイス= 128 K バイト
ワークエリア用:64 K バイト
ディスプレイ用:16 K バイト
●ディスク・ドライブ:2
両面単密度 8’ディスク使用。1 枚の容量は約 500 K バイト。
●S/N比:
約 70 dB
●インプット/アウトプット:
スピーカー・モニター・アウト:1
インピーダンス:8Ω,アウトプット・レベル:20W RMS
チャンネル・アウト:8
バランス,インピーダンス:600Ω,アウトプット・レベル:Max 8.7V(+12 dBm)
ミックス・ライン・アウト:1
バランス,インピーダンス:600Ω,アウトプット・レベル:Max 8.7V(+12 dBm)
シンク・イン(&アウト):1
シーケンサー・コントロール用クロック。インピーダンス:600Ω,インプット・レベル:500 mV p-p。
初期バージョンではシンク・アウト無し。
フィルター・アウトプット:1
サンプリング・ページのフィルターを使用した場合,フィルター通過後のオーディオ信号が出力される。
マイク・イン:1
ライン・イン:1
インピーダンス:600Ω,インプット・レベル:1.4V p-p
ADC ダイレクト:1
サンプリング時にレベル・コントロールやフィルターを介さず直接 A/D コンバーターにオーディオ信号を送れる。インピーダンス:100K,インプット・レベル:10V p-p
パネル:
フロント・パネル:
本体のフロント・パネルには,コンピューターのリセット・スイッチや,アルファ・ニューメリック・キーボードの通信速度を決めるスイッチ等が並んでいるが,通常これらは使用しない。また右端には 2 台の 8 インチ・フロッピー・ドライブが並んでいる。このうち左側のものには常時システム・ディスクを入れておき,右側にサウンドやシーケンス・データを記録したディスクを入れる。
キーボードの左側には 3 つのボリュームと 2 つのスイッチが並んでいるが,これらを何に使うかはユーザーが自由に定義できる。
キーボード右にはテン・キーが並んでいるが,これはライブなどで使用する際,アルファ・ニューメリック・キーボードとグラフィック・ディスプレイがなくても,音色を選べるようにする機能しか持っていない。
グラフィック・ディスプレイにはライト・ペンが付属しており,ディスプレイにペンを向けて先端の部分に触れると画面上のコマンドを選んだり,波形を書いたりすることができる。
リア・パネル:
リア・パネルには左から,電源,グラフィック・ディスプレイ用電源,キーボード用電源,キーボード,グラフィック・ディスプレイ,プリンターのコネクターが,さらにヘッドフォン・ジャック,スピーカー・モニター・アウト,8 ボイス分のセパレート・チャンネル・アウト,ミックス・ライン・アウト,シンク・イン,サンプリング・フィルター・アウト,マイク・イン,ライン・イン,A/D コンバーター・ダイレクト・イン,マイク/ライン・セレクター,A/D コンバーター/マイク・ライン・セレクター,モニター・ボリューム,シンク・ボリュームが並んでいる。
またキーボードのリア・パネルには本体との各種コネクターの他に 3 つのペダル・コントローラー用コネクター,アルファ・ニューメリック・キーボード用のコネクターと,スレーブ・キーボード用のコネクターがある。
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