1.パッチサンプル1(アナログ・シーケンサーによるシンク録音)
マルチトラック・レコーダーなどに録音したガイド用のクリック信号(メトロノーム音)を GATE DELAY(172)に送ってゲート信号を作り出し,シーケンサー(182)を 1 ステップずつ動かして演奏させる。
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デジタル・シーケンサーが登場する以前は,この方法で多重録音を行っていた。
2.パッチサンプル2(ADSRでVCOをコントロール)
エンベロープ・ジェネレーター(ADSR)の信号で VCO のピッチを変化させる。
キックのサウンドや犬の鳴き声,また 2 つの VCO をユニゾンにセットし,
片方の VCO だけ ADSR でピッチを揺らして音作りをするブラス・サウンドなどに利用される。
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3.パッチサンプル3(オッサンの声)
サンプル&ホールド(150)は実際にはノイズに内部結線されており,鍵盤を弾くたびに
ランダムな高さの電圧が作られ VCF に送られる。
また VCO には ADSR 1 の反転出力の信号が送られ,鍵盤を演奏するたびにピッチが少し下から正規の音程に
ずり上がるようになっている。
冨田勲風サウンド。
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4.パッチサンプル4(アナログ・シーケンサーでゲート・タイムを変える)
VCO 2 の周波数をボルテージ・プロセッサー(132)のマイナス電圧で極端に下げ LFO として使用し,そのパルス波でシーケンサー(182)と ADSR を駆動する。
シーケンサーの CH 2 アウトは VCO 2 のパルス・ワイズ・モジュレーション・イン(PWM)につながれているため,VCO 2 は 1 ステップごとにパルス幅の違うパルス波を出力する。
この信号をゲート信号代わりに使用して 1 音ごとにゲート・タイムの違うシーケンスを得ている。
また,さらに長いゲート・タイムを得たい場合には PWM IN に送る電圧を一度ミキサー(132)に送り,マイナスの電圧を加算してから PWM IN につなぐ。
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5.パッチサンプル5(シーケンス・パターンの転調)
シーケンサー(182)で演奏されるパターンに,鍵盤からの KYBD CV を加算して演奏させる。
これにより,シーケンサーのフレーズは鍵盤で弾いた音程のキーに転調される。
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6.パッチサンプル6(シーケンスのテンポ・コントロール)
1 ステップごとのステップ・タイム・ボリュームの無いアナログ・シーケンサー(182 や System 100 のシーケンサーなど)で,リズムのあるパターンを作る場合の定石セッティング。
CV 1 は通常のピッチCV として使用し,CV 2 をシーケンサー自体の TEMPO CV IN に戻してやる。
これにより,CV 2 は自分自身のクロック・スピードを 1 ステップごとにコントロールすることになる。
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7.パッチサンプル7(1ステップごとにポルタメント・タイムを変える)
シーケンサー(182)の CH 1 をポルタメント・コントローラー(165)の CV IN に送り,ポルタメントを付けて VCO に送る。ポルタメント・タイムはポルタメント CV に接続された CH 2 で行う。
これにより,CH 1 側の列ではピッチを,CH 2 側の列ではポルタメント・タイムをコントロールすることができる。
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8.パッチサンプル8(トリルのコントロール)
シーケンサー(182)の CH 2 の CV で VCA の開き具合をコントロールする。
この VCA には LFO の矩形波が接続されており, VCA が開けば VCO に対して矩形波ビブラート(トリル)がかかる。
これにより,CH 2 のボリュームを上げたステップではトリルが付加される。
ジャン・ミッシェルジャールなどが初期のアルバムで使用していた手法である。
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