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Promars:

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ProMars
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   概要  ウンチク  その他
Promars はこんな音

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  ウンチク :

●ROLAND のモノフォニック・シンセで『SH』という型番がついていないのはこの機種のみである。最初は同時に発売された Jupiter 4 に対し Mars 2 という名前で呼ばれていたが Promars という名前に落ち着いた(型番は MRS-2)。結局 ROLAND でコンピューターを使用したモノ・シンセはこの Promars と SH-101(82 年 9 月発売)の 2 機種のみとなった。


●10 個のプリセット・サウンドには Synth1,2 という音色があるが,カタログではSynth,The Force という名前になっている。Force ではわかりにくいということで Synth1,2 としたのだろう。


●ROLAND 初のポリフォニック・シンセである Jupiter 4 と同時に発売されたため,話題に上ることの少ないかわいそうな機種であった。


●音は ROLAND にしては太い音がする。他の楽器と一緒になっても比較的前に出る音が作れる。


●フロント・パネル上の薄紫色で囲まれたセクションはコンピュ・メモリーにデータを書き込める部分である。各ボリュームは 64 段階のデータとしてメモリーされる。一度メモリーしたデータはエディットすることができない。

●ブリリアンスはコンピュ・メモリーに記憶した VCF のカットオフ・フレケンシーの値とは関係なくカットオフの位置をアナログ的に変更でき,まだ EDIT 機能のないメモリー付きシンセの音作りを補助していた。しかしブリリアンスのもうひとつの重要なポイントに VCF のレゾナンス発振の音程補正というのもある。上記のように Promars の各ボリュームは 64 段階の値で変化するが,この分解能では VCF のレゾナンス発振を使って音階を作る場合に音程がぴったり合わないという不都合が生じてくる。これを解消するのにもブリリアンスは役立つわけである。シンセの VCF 発振音で口笛の音を作りたい人には必須の機能なのである。


●鍵盤左のコントローラー部にはベンダーが装備されている。このベンダーはスイッチの切り替えでモジュレーションのコントロールにも使え,ビブラート・コントローラーの代わりにも使えるわけだが,ROLAND 得意の謎の LFO 設定はここでも登場してしまう。

 他の ROLAND のシンセ解説でも書いていることだが,通常ミュージシャンは LFO の矩形波を VCO に送る場合トリルの効果を期待している。このときトリルは弾いた音程を基準にトリルする音程が(ベンダーを倒していくにしたがって)上がっていくのが普通である。ROLAND のほとんどの機種ではこれが弾いた音程に対して上下に広がっていってしまい,トリル奏法としては役にたたない。

 この Promars では確かに弾いた音程を基準としてトリルがかかるのだが,なぜかレバーを右に倒すと弾いた音程に対して下方向のトリルがかかってしまう。ではレバーを左に倒せば上の方にトリルするかというと,左方向では LFO の信号は VCO,VCF,VCA のいずれにも送られなくなってしまう。

 この部分について言えば ROLAND は最後まで正しいミュージシャンの意見を聞き損なった(または聞き入れなかった?)わけだ。


●VCO-2 には 2 つの音程をセットできるボリュームがあり,これをスイッチで切り替えることができる。これは VCO-2 のチューニングを曲によって平行 5 度にしたりユニゾンにしたりの切り替えができ,曲によっていちいち VCO-2 のチューニングツマミをいじる頻度が減り,ライブ派には大変重宝する機能であった。また VCO-2 の発振波形は VCO-1 と同じになる。


●LFO ベンドはコンピュ・メモリーに記憶した LFO の速度を変えるためのボリューム/スイッチである。この機能はコンピュ・メモリーとは関係なく働く。作った音をコンピュ・メモリーに記録する場合にはこのボリュームをセンターの位置(効果なし)にして記録しないと,あとで LFO のスピードがおかしくなってしまう。またベンド LFO レート・ワイズを Wide にして LFO レートを上げるとリング・モジュレーター的な効果音を作ることができる。ただし LFO の周波数は鍵盤のピッチに追従はしないので,音階のはっきりした音は作れない。


●本体の鍵盤数は少ないが外部の CV でコントロールすれば問題ない。VCO 1/2 にシンクがないといった点はマイナスだが,メモリー機能はわりと便利だし,音も太めなので安かったら買ってもいいかも。


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:あり

MIDI:改造は不可能