概要:
楽器について
1977 年に発表されたデジタル・シーケンサー。それまでのデジタル・シーケンサーはキーボードからのリアルタイム入力が中心で,入力後のデータの編集/保存もほとんど不可能だったのに対し, MC-8 はテン・キーやテープ・インターフェイスを利用することにより,これらを容易にした画期的な製品だった。
当時発売されていた同社のモジュラー・シンセ『 System-700』との組み合わせにより,最高峰のコンピューター・ミュージック・システムを構築することが可能だった。
当時の定価
本体(インターフェイスを含む):120万円
発売直後は標準メモリー 4 Kバイトで,16 Kバイト・メモリーはオプションだったが,間もなく16 Kバイト・メモリー標準装備でこの値段になった。
仕様:
●アウトプット:
8 チャンネル・コントロール電圧
(0V ~ 10.59V ,127 ステップ,83 mV/Step)
8 チャンネル・ゲート出力
並列 6 チャンネルの MPX 出力
CV 1 ...プログラムによりポルタメント・オン/オフ可能システム 700 用の DIN コネクタ出力端子付
●インプット:
テン・キー・インプット
外部キーボードによるリアル・タイム・インプット
●テンポ:
最大 M.M.四分音符=254(512 Sec.~ 10 ms/1 Step)
●メモリー容量:
標準 4 Kバイト,オプション追加により最大 16 Kバイト
(約 1200 音(標準)~ 5400 音(最大)ただし CV 1 個及びステップ・タイム,ゲート・タイムのみ)
●使用 IC:
8080A(CPU)
5 Kバイト P-ROM
4 Kバイト~ 16 Kバイト RAM
●外形寸法:
本体:460(W)×406(D)×155(H)mm
インターフェイス:303(W)×406(D)×114(H)mm
●重量:
本体:11 kg
インターフェイス:4.5 kg
●消費電力:
60W
パネル:
フロント・パネル:
パネルは左からロード,テン・キー,プレイ,チューニング,テープ・メモリーに分かれている。
ロード部には CV,ステップ・タイム,ゲート・タイム,MPX,テンポのセレクトや,データのデリート/インサート,コピー等のボタンが並んでいる。
テン・キーの左にはメジャー・エンド(小節線を入れる),ステップの前進/後退等のボタンがある。
プレイ部にはテンポ・ボリューム,スタート,ストップ,リピート・ボタンやシンク・スイッチ等がある。
また,上部ディスプレイは左から小節番号,小節内でのステップ番号,データ,タイマーのデータが数字で表示される。
さらに本体とは別のインターフェイス・ユニットには 8 組の CV/ゲート・アウト,1 組の CV/ゲート・イン, System-700 や100M に DIN ケーブル 1 本で 1 組の CV/ゲートを送れるコネクターが 2 種類(ひとつは CV 1 固定,もうひとつはセレクターで切替可),ポルタメント・スイッチとボリューム(スイッチがオフのときには MPX 7 番でオン/オフのコントロール可能),そして 6 個の MPX アウトがついている。
リア・パネル:
リア・パネルにはシンク,データ・セーブ/ロードのイン/アウト,スタート/ストップ等のジャックと,インターフェイス用のコネクターがついている。また,この CD-ROM の写真の MC-8 はシンク用に改造がほどこされており,クロック信号のアウト端子が追加されている。この端子によりフェアライトやリン・ドラム等の外部機器とシンク演奏を行う。
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