item2 item10 item11 item12 item13

PS-3200:

見たいパネルをクリックしてください

PS3200ALL
item2
item3
item4
item7
item8
item9
item10
item11
item12
item13
item14

   概要  ウンチク  その他
PS-3200 はこんな音

item19

  ウンチク :

●PS-3200 は PS-3100 に 1 系列分 VCO を増やし,16 個のメモリーを追加したモデルである。メモリーはパネル上のオレンジ色の文字で書かれた部分を記憶する。一度書き込んだ音色のエディットは変更したいボリュームを引っぱり出して回すと行える(あまり強く引っぱり出すとツマミが引っこ抜けます!)。変更した音色は,再び Write ボタンで書き込めばアップデートされる。なかなか原始的だが時代を感じさせて微笑ましい機構である。

●PS-3200 も 3100 と同様にパッチによる音作りが可能になっている。しかし,パッチ・ボードは 3100 のように1カ所にまとまっているわけではなく,各機能モジュールの下に取り付けられている。 3100 と同様でエンベロープ・ジェネレーターのアウトがない,などといった不都合もあるが,一通りの音作りは可能である。

●VCF についているエクスパンド・ボリューム,サンプル&ホールドのシンクロは謎の機構である。これは PS シリーズ共通のものなので,どういう謎なのかは PS-3100 の解説を参照してほしい。

 また,その他の機構についてもほとんどが PS-3100 と同一である。詳しくはそちらの解説を...


●サウンドは PS-3100 よりも厚い音がする。試しに VCO の 2 系列目をオフにして, PS-3100 と同じ条件で音作りをしてみたが,あきらかに 3200 の方が太い,ファット・サウンドである。当然 2 系列目の VCO をオンにすれば音はさらに拡がる。アンサンブル機能も利用して音作りをすれば,ブラスとストリングスの中間的なパッド系サウンドを作ることができる。

 また,モジュレーションのかかった柔らかいエレクトリック・ピアノ系の音も,この楽器の得意とするところである。ただし,ピアノ系の音を作ってもベロシティーはついていないのでタッチによる音量差,音色差は出ません,あしからず。


●PS シリーズにしろ,Polymoog にしろ,アナログ回路を使って物量作戦で和音を作っているポリフォニック・シンセには,やはりどこかしら回路上の無理がある。また部品点数が極端に多いという問題もあり,故障発生の頻度は非常に高い。PS シリーズでいえば,PS-3300 が部品点数的にも一番トラブルが発生しやすいだろう。なにせ同じ音源が 3 系統も入っているのだから。下手すると 3 系統あるのはどれかが壊れても 1 系統だけ生きてれば楽器として使えるだろう,ということになりかねない。


●PS シリーズの基盤をよく見ると,なんと PolyKorg なる名称が書かれている。Polymoog のようにしたかったのだろうか?実際 PS シリーズでは Polymoog と同じチップを使い,回路的にも近い仕様の設計となっている。


●この機種ではモジュレーションを複雑にしたりテンパーメントで 12 平均律以外の音階を作るという耳新しさは作れるが,過激という意味での耳新しさは作りにくい。Midi 改造が可能なので使い道はあるが,1 台目のポリフォニック・シンセとして買うのは,ちょっと勇気がいるだろう。特に部品点数の多さによる故障の多さには,ちょっと閉口する。

 好きなアーティストが使っているから,という以外の理由でこの楽器を買うのはあまりお勧めできない。

 PS-3100 と 3200 のどちらかを買う,というのであれば絶対に 3200 を買うことをオススメしますが...


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:あり。

 ただし Hz/V と Oct/V が混在しているため,外部との接続には MS-02 等のインターフェイスがあったほうが便利。

MIDI:5G-MIDI 取り付け可能。値段は17万円(1995年)。

改造は Five-G 販売のワンオーナー品のみ。