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ElectroComp-101:

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   概要  ウンチク  その他
ElectroComp-101 はこんな音

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  ウンチク :

●他の EML 製品と同じように ElectroComp 101 は日本にはほとんど入荷しなかった。むしろビンテージ・シンセ・ブームの今のほうが入荷台数が多いくらいだろう。


●ElectroComp 101 は,1971 年にその原形となるモデル ElectroComp 100 が発表されている。このモデルはパネルの色がブルーであること以外,101 とほとんど変わらない。

 また同じ 101 の中でもバージョンにより多少パネルが違っている(パッチ・ボード等)。


●本家アメリカでは比較的ポピュラーな機種であり,70 年代にアメリカ各地に作られた 100 以上のシンセサイザー・スクール(大学単位のものから個人経営のものまで含めて)の十数校で教材として使用されていた。


●概要にも書いたようにこのシンセサイザーは Minimoog と ARP の 2600 を足して 2 で割ったような機種である。基本的には Minimoog の構成に近い内部構成だが,さらにサンプル&ホールドやリング・モジュレーターを装備し,しかも基本パッチは内部結線されており,通常の使用にはパッチなしでも音作りができる(この辺が ARP っぽいわけだ)。ただし VCO 間でシンクをかけることができなかったり,外部入力用のプリ・アンプまでついているのにエンベロープ・フォロワー等のインターフェイスがついていなかったりする。ちょっと残念...


●この楽器の音は非常に太いのでシンセ・ベースなどの音を作りたい人にはオススメである。サウンド的には結構 Minimoog に近い。音源用のオシレターは 3 つだが,VCO 1 を無理やりパッチでミキサーの外部入力につなげてやれば 4 VCO として使用できる。


●ElectroComp 101 は複雑なモジュレーションにより,ウニョウニョの変なサウンドを作るのが得意である。たとえば VCO 4 を LFO として使い,これで VCO 1 にビブラートをかけたうえに,さらにVCO1の信号でVCO2~4にビブラートかけ,それにサンプル&ホールドの信号を追加してやったりすると,かなり気持ちのいい(悪い?)サウンドが作れる。


●キーボード左サイドにはベンダーやモジュレーションのノブを追加できるスペースがある。この部分の内側は完全に空洞になっている。ショップで見かける ElectroComp 101 には,ここにベンダーやジャックがついていることが多い(ちなみに私のは無改造)。 EML ではオプションとしてベンダーユニットを販売しており,これを左の空きスペースにつけるというわけだ。ほかにもフロント・パネルに大きなコネクターが追加されていたり,ボリュームがついていたりと改良されたものに多く出くわす。機能は向上するがデザインとか見た目,という部分は全く無視されていた。


●VCF のレゾナンスはこういった機種には珍しく自己発振しない。しかもレゾナンスは上げるにしたがって音量が極端に小さくなっていってしまう。


●VCO/VCF へのモジュレーションはそれぞれオシレター・コントロール/フィルター・コントロールというセクションで行うが,ここではボリュームの数を減らすためセンターが0で右に回すとエンベロープ・ジェネレーター,左なら LFO(VCO 1)のモジュレーションといった使い方をすることになる。したがって VCO 1 を LFO にして同時にエンベロープ・ジェネレーターを使用するという組み合わせはパッチをしないとできない。もしパッチしないで同様の効果を得たいなら VCO 4 を LFO 代わりに使う,といった裏技を駆使することになる。


●上記のようにボリュームはセンターが 0 になるものが多いわけだが,センターでカチ!っとクリックして止まるようなボリュームは使用していない。全部目分量で調整するのである。この辺のいい加減さは日本製品には見られなくて感動してしまう。


●本体とキーボードは重ねると箱のような形になり,取っ手で持ち運びができるようになる。しかし,正確な四角ではなく妙に偏平な形になるので,上に物を積んだりはできない。


●オシレター間でシンクがかけられない,フィルターが発振しない,という 2 つのマイナス・ポイントがあるが,それ以外では非常に面白い機種である。モジュラー・シンセが欲しい人は 20 万以下で売りに出ていたら買い!である。


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:あり

MIDI:改造は不可能
 MIDI→ CV コンバーターで MIDI からのコントロール各種可能