Dual Soloist:

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   概要  ウンチク  その他
Dual Soloist はこんな音

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  ウンチク :

●Dual Soloist は, ARP のプリセット・シンセである Soloist の鍵盤をカット改造したものが 2 台,ラックに収められたユニットである。もちろん ARP がこんな製品を出していたわけではなく,誰かが 2 台の Soloist を 1 台にまとめる改造を行ったわけだ。

 改造自体はプロの仕事のようで,本体/鍵盤ともにボディはアルミの L 字アングルを組み合わせた上に木製の板を止め,さらにレザー張りに加工してあるという念の入れようだ。

 回路上の改造はほとんどなく,デュアルといっても両音源ともに低音優先の仕様になっている。



●Soloist は ARP のプリセット・シンセとして有名な Pro Soloist の前身である。Pro Soloist との違いはプリセットの数が少ないこと(特にジャズ/ロック系に使用できるサウンドが少ない),コントロール・パネルが鍵盤の下側についていることなどである。Soloist はハービー・ハンコックなどが初期のアルバムで使用している。また色々なアルバムの使用機材表記の中で,Pro Soloist と書いてあるが,実際には Soloist を使っているという例も結構あるようだ。



●Soloist からモデル・チェンジした Pro Soloist はさらに 1977 年に Pro-DGXという機種にモデル・チェンジしている。Pro-DGXは Pro Soloist のデジタル版で,外見的にも頼りなさそうなセレクト・スイッチ類が LED の押ボタン・スイッチに変わっている。



●Soloist の鍵盤は,タッチ・センサー付である。当時のタッチ・センサーは鍵盤を深く押し込むとスイッチが入り,突然ビブラートやグロウルの効果がかかり出すものが多かったが, Soloist では鍵盤を押し込む強さによって効果のかかり具合が変わるという方式が採用されており,ビブラートやブリリアンス(カットオフ・フレケンシーの開き具合)を使って,かなり細かいニュアンスのついた演奏が可能である。



●タッチ・センサーでつけられる効果としては,ピッチ・ベンド(アップ),ワウ(レゾナンスを上げた状態でのカットオフ・フレケンシーの開き具合),グロウル,ブリリアンス,ボリューム,ビブラートがある。



1973 年に行われた楽器フェアでは ARP のデーブ・フレディレックス氏が Pro Soloist と電子オルガンでデモンストレーションを行ったが,タッチ・センサーでワウをコントロールしながら演奏したバンジョーや,ビブラートをコントロールしたバイオリンの演奏では,音色やフレージングが驚くほど本物っぽかったため,思わず会場中から拍手が沸き上がった。



●18 個あるプリセット・セレクターは右側優先になっており,複数のスイッチを入れてもそのうち一番右側の音色が有効になる。



●日本ではモリダイラが ARP の輸入代理店となっていた。当時,同社は Pro Soloist は輸入・販売していたが,Soloist は輸入していない。



●音色は抜けが良く,1970 年代前半のシンセサイザー・サウンドが簡単に作れる。ただし CV/ゲートはないし,Midi 改造も不可能なので,手弾きのできる人以外には用のない楽器だろう。しかし,弾ける人にとっては音作りの秘密兵器となりうる機材である。

 もし Pro Soloist があって,あなたに手弾きができるなら買っておいてもいいだろう。

 また Soloist と Pro Soloist が同じような値段で売られていたら,当然 Pro Soloist を買ったほうが得である。




外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:無し

MIDI改造:改造は不可能