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SH-7:

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SH7ALL
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   概要  ウンチク  その他
SH-7 はこんな音

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  ウンチク :

●SH-7 の VCF は 24dB/oct タイプのものだが,とにかくエゲツないきき方をする。バンドの中でフィルターのレゾナンスを上げながらカットオフを動かしてソロでも取ろうものなら,音が浮いてしまってかなり辛い思いをすることになるだろう。だが逆にレゾンナンスが露骨にきいた打ち込み系のダンス・サウンドには最適かもしれない。いずれにしろ音楽を選ぶシンセサイザーである。

●VCOは 2 つあり,シンクがかけられる。ところがこの機種のシンクは全く役にたたない。通常シンクでは 2 つの VCO のピッチを離した場合,音色が大きく変化するはずである。ところが SH-7 のシンクは 2 つの VCO の音程が全く同じになるか,さもなくばオクターブ関係で変わっていくだけなのである。したがってシンクによる音作りはできないと言い切ってしまっていいだろう。どうしてこういうことになったのやら...


●VCO 1(A)は VCO1(B)のサブ・オシレターで,32’~ 2’までの矩形波ミックスによる音作りができる。ただしこれは VCO1(B)の音を単にディバイダーでオクターブずつ下げた音程をミックスしているだけなので,音が厚くなるわけではない。また VCO1(A)の音程は VCO1(B)のレンジとは無関係である。


●VCO 1(A)と(B)は不思議な位相関係にある。それぞれの音域を同じレンジにし,(B)の波形を鋸歯状波にし,(A)の音量を上げていくと,あるポイントで出てくる音の基音が完全に打ち消され,オクターブ上の音だけが鳴るようになってしまう。これは(A),(B)の位相関係が逆で,しかも波形が完全な矩形波/鋸歯状波でない証拠である。


●SH-7 の LFO で矩形波を選んだ場合,VCO の LFO ボリュームを上げると,押さえた鍵盤の音程に対して上方向にモジュレーションのかかるトリル効果となる。たとえば,Cの鍵盤を押さえた場合,C-C#-C-C#-C-D-C-D-C-D#-C-D# のように,C の音程を基準として音程が上に伸びていくわけだ。ところが同じことを鍵盤左のコントローラー部でやろうとすると(コントローラー部の VCO ボリュームを上げ,センシティビティー・スイッチを LFO にし,ベンダー・レバーを倒す)なぜか押さえた鍵盤の音程に対して上下に音程が広がっていくモジュレーションになってしまう。上記と同じように C の鍵盤を押さえた場合,B-C#-B-C#-B♭-D-B♭-D-A-D#-A-D# のように,C の音程を中心として音程が上下に広がっていくわけだ。

 通常 MOOG や ARP の矩形波ビブラートでは音程は基準音に対して上方に伸びていくトリル効果が得られるのが普通だが,SH-7 ではこれが混在してしまっており使いづらい。矩形波ビブラートをどう使うか?の考え方の問題だが,なみいる有名シンセシストの矩形波ビブラートはトリル効果として使われているのに,上下に広がるタイプのモジュレーションにはどういう意味があるのだろうか。開発者に聞いてみたいところである。

 なおこの効果は VCF でも同じことが起こる。


●当時すでに安くて機能の高いシンセサイザーも登場し始めており,SH-7 はそれほど話題にも上らないままいつの間にか店頭から姿を消していった。現在のビンテージ市場でも,それほど多く見かける物ではない。


●SH-7 は CV/ゲート・コントロールも可能なので,5 ~ 7万くらいで売りに出たら買ってもいいかもしれない。機能的には色々オマケもついているので面白いだろう(もっともこの機械独特の音色が気に入ればの話だが)。ただし,この機種でもサンプル&ホールドをキー・トリガーで動かすことはできないので,1 音ごとに VCF のかかり具合の変わるようなベース・サウンドなどは作れない。


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:あり

MIDI:改造は不可能