item2 item3 item4 item5 item6

SH-3A:

見たいパネルをクリックしてください

SH3AALL
item2
item3
item4
item5
item6
item12

   概要  ウンチク  その他
SH-3A はこんな音

item9

  ウンチク :

● SH-3 には 3 と 3A の 2 つのモデルがある。外見上は 3 のうしろに A の文字が入っていることの他に,各回転タイプのボリューム・ツマミに黒い線が入り,斜め方向から見てもボリュームがいくつになっているかが判別しやすいようになっている。内部的には SH-3 では MOOG タイプの ラダー ・フィルターを使用しており,音がいいと言われている。

● SH-3 の音は SH-1000 ゆずりのチープなサウンドで MOOG 風サウンドを求める人は,当時欲求不満に陥った。

● SH-3 は本体に取っ手がついており,蓋をかぶせれば手で持ち運びが可能になっている。根性があれば手持ちで電車移動というのも可能であった(そんなの僕だけ?)。

●パネルにはサンプラーという部分があり,サンプル・タイムなどという表記もあるが,これは現在の 波形 をメモリーに取り込むようなサンプリングとは全く違う。 SH-3 のサンプラーは サンプル&ホールド のことであり,入力に入ってきた信号を クロック 信号の来たタイミングでホールドするというものであった。

 このとき,入力に ノイズ 波形を入れてやれば,一定間隔で音程がランダムに動くランダム・ ノート を作ることができる。このランダム・ノートを基本リズムにしてソロを弾いたりするとカッコイイ(ただしリズムキープが難しい)。

● SH-3 は LFO が モジュレーション用に2 つ, コーラス 用に 1 つ,サンプラーに 1 つの計 4 個搭載されている。こんなに LFO 入れるくらいならどれかを共用にして VCO の数を増やせばいいのに,と多くの人が思ったわけだが,当時の技術ではまだ複数の VCO を搭載してチューニングを安定させるということが難しく,やむなく 1 VCO となったわけである。

●この機種が発売された 1974 年当時は,ない機械は自分で作るという風潮があり(趣味はステレオやラジオの制作という人も多かった), ROLAND でも『どうしても SH-3 を 2 VCO にしたい!』というユーザーには内緒で VCO 追加用の回路図をわけてくれた。ただし,これは相当 ROLAND に通って仲良くなった人のみ。もちろん技術者と話して,この人なら改造に関する知識があると判断してもらえればの話しであることは言うまでもない。

 ROLAND が,まだまだ数十人規模で運営されていた頃の微笑ましい話である。ちなみに現在 SH-3 を買って ROLAND に持ち込んでも,図面も改造も無理なんであしからず!

●外部との インターフェイス はない。当時 MOOG や ARP は 1 V/Oct の規格になっていたが, SH-3 では内部的な電圧は 1 オクターブに対して約 1.1 ~ 1.2V であった。

● SH-3 は F から C までの 44 鍵だった。これは Minimoog と同じであり,当時日本製の安いシンセサイザーで Minimoog のフレーズを弾こうとすると鍵盤の数が足りる機種は SH-3 しかなかった。よって SH-3 に走ったアマチュアは多かった。

● SH-1000 にもついていた謎のグライド・スイッチは SH-3 にもついている。機能は同じで,押すと半音音程が下がり離すとゆっくり弾いた音程に音が戻っていく。また同様に謎の機能として ポルタメント を押した瞬間だけオフにするボタンもついている。

● VCO は 1 つだが,オルガン/ストリングス・キーボードのように フィート 率のボリュームが 32’~ 2’まで並んでいる。各フィートごとに 波形 を選んで音を作れるわけだが,元は 1 つの VCO なので当然厚い音になるわけではない。

 そこでこれを解決するため,8’には コーラス のボリュームがついている。このボリュームは左に回し切るとコーラス効果がオフになるスイッチつきボリュームである。ただしコーラスと言っても パルス波 のパルスワイズを LFO で揺らすタイプのものであった。

 このとき,隣り合う 2 つのフィート(16’か 4’)のどちらかを混ぜると,音により厚みが出る。そこで音を作る場合には必ずコーラス付 8’に 16’か 4’の音を混ぜ,低い音域で演奏したければ トランスポーズ ・スイッチを L に,高い音域ならトランスポーズ・スイッチを H にして音を作る。これが SH-3 で厚くてカッコいい音を作るコツであった。

● CV ,Midi 改造のできない SH-3 は手弾きのできる人かマニアの人にとっては面白い機種だが,打ち込み派にとってはあまり意味がない。お金に余裕のある人は,2 ~ 3 万で売っていれば買ってもいいかもしれない。


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:なし

MIDI:改造は不可能