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Liberation:

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LIBERATIONALL
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   概要  ウンチク  その他
Liberation はこんな音

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  ウンチク :

●Liberation には『解放』と言った意味がある。キーボード・プレイヤーをステージ・サイドから解放するという意味なんだろうけど,辞書を引いてみると別な意味もあったりする。興味ある人は自分で調べてみてね。


●Liberation は 2 VCO/ノイズ/リング・モジュレーター,そしてフル・ポリフォニックの音源が装備されており,ギター風のリードからバッキングフレーズまでカバーできる。しかし,まだ当時は音色メモリー機能がなかったため,バッキングからリードに切り替えるためには目分で VCF/VCA 等のツマミをいじって音を変えてやる必要があった。ステージ上で音色変更をするには,それなりのシンセサイザー知識が必要であった。

●リード・サウンドは Minimoog ほど音が太くないが,シンクがかけられる分ハデな音がする。

 ポリフォニック・セクションは矩形波音のみなので,Liberation 単体で弾くとディストーションっぽい音がするが,エフェクターをかけると,かかりがイマイチよくない。ギター風に音を作るには,やはりエフェクターが必須と思われるだけに,ちょっと残念である。また,ポリフォニック・セクションはリボン・コントローラーでベンドができないのもマイナス・ポイントだ。

●ショルダー・タイプのリモート・キーボードはそれまですでに Clavitor が発売されていた。Clavitor の場合,単にコントローラー部のみで音源は含まれていなかったが,Liberation では本体にリード/バッキングの2種のシンセサイザーを搭載していた。したがってサイズ/重量ともに重かった。


●キーボードにはフォース・センサーと呼ばれる機能がついている。この機能は Midi で言うところのキー・プレッシャーに相当する。フォースの信号はモジュレーションやピッチ・ベンドに使用される。


●VCO は 2 つあり,重音を出したりシンクをかけたりできる。VCO 1 の音域は 32’,16’,8’で波形は鋸歯状波,三角波,10% のパルス波のいずれかを選択,VCO 2 の音域は 16’,8’,4’で波形は鋸歯状波,三角波,矩形波のいずれかが選択できる。

 VCO のシンクでは,フォース・センサーをベンドにしていると,鍵盤を押し込む力の度合いで VCO 2 のピッチをずらすことができる(この時 VCO 1 にはフォース・センサーからのベンド電圧はいかなくなる)。これにより演奏中,タッチの加減で音色をどぎついカラーのサウンドにでき,ギターのフィードバック的なサウンドを作り出せる。

 Liberation では VCO の音程は高音優先として設計されている。これは和音演奏をした場合,その最高音がメロディーになる場合が多いことに対応したものである。どうせなら最高音と最低音の 2 音が出せればもっと使えたんだが...

 またポリフォニック・セクショは矩形波によるフル・ポリフォニック仕様になっており,VCOと組み合わせてリード/バッキングの演奏が可能である。

●ネック部分にはモジュレーションやベンドに必要なコントローラーが配置されており,演奏しながらリアルタイムに各種パラメーターをコントロールしやすくなっている。ベンダーには MOOG 独特のリボン・コントローラーが採用されている。通常のベンド・アップを行うにはこのベンダーを中心から手前に押さえて行う。この時,左手でさらに右隣りにあるモジュレーション・アマウントやフィルターのボリュームを操作することも可能な設計になっているが,ベンドしながらボリュームをいじる(ギターのバイオリン奏法のように)のは,かなり手が大きい人でないと不可能である。


●VCF には MOOG 特許の - 24dB タイプのフィルターが採用されている。


Liberation の日本で最初のユーザーは私である。銀座のヤマハにこの Liberation を注文しておいたのだが,ちょうど当時参加していたクロスウィンドというバンドが銀座でライブをやっているときに入荷したとの電話があり,1 ステージと 2 ステージの間の空き時間に,お店まで品物を取りに行った。この楽器凄く重いのに,ケースまで一緒にして降りしきる雨の中,現物を持ち返り,そのまま 2 ステージ目で(ぶっつけ本番で)使用した。あの頃は体力あったのね。内輪ネタですいませんでした。

●電源を除くほとんどの基盤はショルダー部に入っており,またメモリーもないため本体は多くのツマミが並び,非常に重かった。だいたい1ステージで 3 ~ 4 曲が限界。少なくとも日本人の貧弱な体型には厳しいものがあった。


●付属のマニュアルには数種類の音色チャートがついていたが,作れる音のサンプルにはオーボエやクラリネットの音も...何が悲しゅうてショルダーキーボードでクラリネットのフレーズ弾かなあかんのや?!


●あなたがライブ派で,目立ちたがり屋で,シンセの音作りにも挑戦できる!というなら買いである。ただし,これを机の上に置いて通常のアナログ・シンセの代わりにも使おうというセコイ考えは捨てたほうがいいと思います。机に置いて使ったら,ものすごーーーーく使いにくいですから(経験者は語る)...


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:あり

 ただし,ゲート(トリガー)は MOOG 独自の S-トリガー規格のため,変換プラグが必要。

MIDI:改造は不可能