PE-2000:

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   概要  ウンチク  その他
PE-2000 はこんな音

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  ウンチク :

●PE-2000 は 3 系統の独立発振器をもったストリングス・アンサンブル系キーボードである。発振器の数が多い分,厚みのある豊かな音がする。たった 1 台のオーケストラという広告は言い過ぎという気がするが,独特の音色のするこの楽器は多くの海外キーボード・プレイヤーに使われた。


●プリセットにコーラスやパイプ・オルガンというスイッチをつけるとは,随分と思いきったことをやったものである。もちろん現在のサンプリングのように合唱の音がするはずもない。しかし,この音色はその独自性からかなり有用であった。

 この辺の音をよく使っていたのは,ドイツのタンジェリン・ドリームやフランスのジャン・ミッシェル・ジャール,ティム・ブレイクなどが有名である。特にタンジェリン・ドリームのクリス・フランケは PE-2000 をステージでも使用しており,まだ海外の楽器に追い付け追い越せという状態だった国内のキーボード市場においては画期的なことだった。

●PE-2000 では 3 つの発振器を別々にチューニングできる。チューニング方法は簡単で,音色をパイプ・オルガンの 1 にしてキャリブレーション A/B のツマミを引っぱる。すると,オシレター1 だけの音が鳴るので,適当な鍵盤を弾いてピッチ・ボリュームでチューニングを行い,次にキャリブレーション B を押し戻し,キャリブレーション A を回してオシレター 2 とオシレター 1 を同じ音程にする。次にキャリブレーション A を押し戻してキャリブレーション B を引っぱり出し,B を回してオシレター 1 とオシレター 3 を同じ音程にする(実際にはオシレター 3 はオクターブ下の音)。そして A/B 両方を押し戻すと,自動的に 3 つの発振器の間に適当な音程のズレが生じて厚みが出るというシカケである。

●サスティンは目一杯長くしても最後に鍵盤から手を離した時の音にしか,かからない。したがって,左手でコードを押さえながら右手でソロを弾くというようなことをしても,メロディー音が濁るようなことはない。理論的にはおかしいという人もいるかもしれないが,実用的には非常に優れた選択だったといえるだろう。逆にアタックはどのような弾き方をしても全ての鍵盤に有効である。


●パイプ・オルガン,コーラス,ブラス,ストリングスともに,プリセット 1 は明るい音色,2 は暗い音色になっている。ヨーロッパ系の浮遊感のあるストリングス・サウンドが好きな人にはお勧めの1台だと言える。特にフェイズ・シフターを遅めに設定したコーラス・サウンドは絶品である。逆に派手なサウンドの中でストリングスの音がメロディーをとるといったような場合にはあまりむいていない。

 音楽を選ぶ機種かもしれないが,5 万以下で見つけたら買っておいてもいい 1 台だろう。


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:なし

MIDI:改造は不可能(と言ってるわりに,私のは改造してくれたりして)