●ストリングスとシンセサイザーを組み合わせた複合キーボード。シンセサイザーといっても，その音源はストリングスのものを分周して作り出しているため，両方を利用しても音に厚みが出るわけではない。シンセサイザーについているVCF は 24dB／oct で， KORG 独特の粘りのあるサウンドが得られるが，残念ながらオシレターの音はそれほどよくはない。

●この時期のストリングスの多くは BBD による遅延効果を利用して音に厚みをつけている。 ROLAND などでは左右に2系列ずつの BBD を使用してステレオ感を出しているが， Delta では 2 系列のみの BBD 使用となっている。そのためか，ロング・トーンを弾いていると音がゆっくりした周期で厚くなったり薄くなったりする。特性的に見るとマイナス面かもしれないが，この揺らぎは演奏の中に入ると意外と気持ちがいい。

●ストリングス・サウンドは BBD を使っているにもかかわらず，PE-2000 のような少し暗めの包みこむような音がする（PE-2000 は BBD で音を厚くするのではなく，元の音源を複数個もっている）。派手なストリングス・サウンドには向かないが，ヨーロッパ的なストリングス・サウンドには向いている。ストリングスのイコライザーのハイを絞った音にエコーをつけたサウンドはおすすめだ。

● 2 万円以下なら購入を検討する価値もあるかもしれないが， 4 万以上するなら他の機種を検討することをおすすめする。

外部とのインターフェイス

CV／ゲートのイン／アウト：ゲートのイン／アウトのみあり

MIDI：改造は不可能