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Poly-Box:

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POLYBOXALL
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   概要  ウンチク  その他
Poly-Box はこんな音

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  ウンチク :

●PolyBox は1 VCO のシンセの信号(VCO のアウト)を鍵盤で弾いた和音にして出力する(シンセの VCF インに送り出す)エフェクター(?)である。VCO から送られてきた信号は PolyBox 内部でピッチから CV に変換され,その CV で PolyBox 内の VCO が入力ピッチに追従し,それを鍵盤からの指示にしたがって和音用に分周し出力する。

 したがって接続するシンセは VCO のアウトと,VCF インを持ったものでなければならない。これがないものは改造をする必要がある。



●接続するシンセは,改造さえできれば PolyBox で VCO を複数にしたかのようなサウンドを作り出すことができる。

 たとえば Minimoog などでエマーソンがよくやるような,1/4/5 度の関係(C の音程を弾くと同時に F と G も鳴るような音程関係)で VCO を鳴らした音が作りたければ, VCO の音を PolyBox に送り, PolyBox のキーボード・メモリー・スイッチをオンにして, PolyBox 側の鍵盤で C と F と G を同時に押さえる。そして PolyBox の音をシンセに戻すように接続して,シンセの方を演奏する。すると不思議にも 3 VCO サウンドが作れるのである!

 しかも PolyBox のフェイジング・ボリュームを上げてやればチューニングを微妙にずらしたような効果もつけられる。もちろん PolyBox の鍵盤を全部押さえれば 13 音分の音が,オクターブ・カプラー・スイッチも入れればさらに同じ音の組み合わせの 1 ~ 2 オクターブまで足せる(トータル 26 VCO 分! )わけだ。



●PolyBox のピッチ追従はかなり安定しており,シンセの方でピッチにポルタメントをかけたりメチャメチャに深いビブラートをかけたりしても,しっかりピッチを追いかけてくる。



●はっきり言ってこれは便利である!もしこの製品が 70 年代に 7 ~ 8 万円前後で日本に入荷していたら(ま,その頃の円相場では無理だったろうけどね!),当時 1 VCO モデルのシンセしか買えずに悔しい思いをしていたアマチュア・ミュージシャンが飛びついたのではなかろうか?シンセの改造にしても,まだまだ 70 年代は楽器の改造をいとわないような人が多かったわけなので,可能性はあったと思う。外国製品にしては珍しくケースの作りも頑丈である。

 当時,日本で代理店が付いていれば EML はもう少し日本でも認知されたのではないだろうか?!



●残念ながら日本では EML には最後まで代理店がつかなかった。しかし都心部の大手楽器店では一部の EML 製品を輸入販売してはいた。当時, PolyBox が日本に入荷していたかどうかは定かではない。



●PolyBox は全部で 380 台製造された。ちなみに写真の PolyBox のシリアルは 1 番!



●PolyBox は 1970 年代アメリカのガレージ・ファクトリーの勢いを感じさせる製品である。しかし PolyBox 発表と前後して EML は社内的な問題から次第にスタッフが離れていき,1984 年に倒産してしまった。これもまたアメリカ流ガレージ・ファクトリーの定石だろうか...



●今さら PolyBox を買う必要はないだろう。買うとしたら私のようなビンテージ・シンセ・ヲタクだけである。それでも 5 万前後で見つかったら買っておいて友達に自慢するという利用法はある。

 別なアイディアとして,1 VCO のシンセ+ PolyBox を使ったパフォーマンス・ライブというのは可能性としては面白いかもしれないので,この辺を狙いたい人も買いかもしれない。

 また, PolyBox のインプットはあくまで 1 VCO からの信号に対して働く。ここに 2 個以上の VCO をつなげたり,レゾナンスをきかせた VCF からの信号をつなげたりすると,音程がメチャメチャになる。過激なサウンドを試してみたい方は,こういう使い方をしてみてはいかがかな?



外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:ゲート・アウトのみあり

MIDI:改造は不可能