Analog Synthesizer Lecture

タム(Tom)サウンドの作り方

a:作り方/その1   b:作り方/その2

a:作り方/その1、単純な音の場合

 

・最初に Tom の呼称について書いときます。Tom の表記は Tom-Tom が正しく、発音はトムトムが正解だと思うんだけど、普通「タム」と言ったり「トム」と言ったり色々です。

 ただ、ドラムセットにある複数の Tom を大中小と分けて話をする時、「そこのフレーズは中タムでやってくれる?」という表現をする事が多く「中トム」と言う事はあまりないです(多分)。

 タムタムだと本当は Tam-Tam の事をさし、こちらは Gong(ドラ)の事をさします。

 でも録音の現場だと Tom は「タム」、ドラは「ドラ」か「ゴング」と言う事が多いので、こでも「タム」と表記する事にします。

 恐らくクラシック系の楽器指定では「タムタム」と「トムトム」は区別されると思います。

 


・基本的なブロックダイアグラムは以下のようにキックその2やスネアと同じです。

kickdiagram2


・スネアとタムのパラメーターの違いは、


 1.VCO のピッチを低くする(ただし高いピッチのタムはスネアよりピッチが高くても可)。

 2.Envelope Generator 1 から VCO に送る CV の Amount を上げる。

 3.ミキサーで Noise の成分を少なくする。

 4.Envelope Generator 1 の Decay Time、Release Time は少し長くする。

 5.VCF の CutOff は少し下げ、音が消える間際では音色が少し柔らかくなるようにする。

 

 この程度のパラメーター変更でもタム風のサウンドは作れます。


 


Moog Modular V のスネアの音をタムの音に変更してみる

 

・Moog Modular V で作ったスネアサウンドのパラメーターを変更して徐々にタムの音を作って行く過程のサウンドを以下に示します。

スネアのパラメーターを少しずついじりタムの音を作って行く


・上記の例では、

 1.VCO のピッチを下げて行く。

 2.Envelope Generator 1 から VCO に送っている CV の Amount を上げて行く。

 3.ミキサーで Noise の成分を少なくして行く。

 4.Envelope Generator 1 の Decay Time、Release Time を長くして行く。

 

 という順番で大体の音を作り、VCF の CutOff の状態や、Amount の調整を行ったり、Envelope Generator の Decay Time、Release Time を調整したりしています。

 

・タムの大きさの変更はキーボードを弾く位置を変えて音程を変更して行います。


・特定のタムに物凄く特長が欲しい場合(例えばノイズ成分が多いとか)には音程毎に別々なタムのサウンドを作ります。(実際のタムでは大きさによってかなり音色が違います)。



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