b:作り方(その2):
・もう少し複雑なケースでは、キックの基本になる VCO の音源に Noise Generator の White Noise の音を足すのが一般的です。
・ブロックダイアグラムで示すと以下のようになります。
・この例では VCO のサイン波の音と Noise の音をミックスして VCF に送っています。
・また、2番目の Envelope Generator で非常に短いディケイの電圧を作り、これを VCF に送って、キックが叩かれた瞬間のクリック音を作っています。
上記のパッチを Moog Modular V で再現してみる
・Moog Modular V で、このサウンドを作って行く過程のビデオを以下に示します。
Moog Modular V でパッチを作ってみる(ビデオによる解説)
・このケースでもヘッドフォンとスピーカーでは音の聞こえ方が全く違います。
・解説の最後にもあるように、VCO の波形をサイン波ではなく矩形波にすると人工的なキック音になり、テクノ系サウンドに良く使われる音を作れます。
・この他にも VCO 系の音と Noise 系の音を別々な VCF、VCA、Envelope Generator で加工して、最後に2つの信号をミックスするといった方法も可能でしょう。
・上記のように VCO と Noise を別々な流れで音作りし、最後にミックスする方法は、意外に音作りが難しくなります。
各々の音の統一感が薄れ、バラバラな要素となって聞こえるからです。
VCO と Noise の2つの要素が一つの VCF を通った方が、音の混ざり具合が良くなります(これに関する理論的根拠はありませんが、あきらかに音が馴染みます)。
・VCO につなぐ Envelope Generator の Amount を 0 にしてしまうと、ピッチ変化が無くなります。
こうすると、昔のしょぼいリズムボックスのキック風のサウンドが作れます。
ただし、ピッチ感がハッキリ出ますから、ベースのフレーズ等とぶつかり、サウンドが汚くなる事があり注意が必要です。
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