・Sample in(下図ではサンプリング・イン)から入って来た信号(CV でもオーディオ信号でも良い)は、Clock in にトリガ信号(下図ではクロック・パルス)が来た瞬間にその電圧が保持(ホールド)され、それが Output に出力される。ホールドされた電圧は次に Clock in にトリガ信号が来るまで持続する。以下にその概念図を示す。
Sample and Hold の概念図
・S/H で最も有名なサウンドがランダム・ノートだろう。これは Sample in にホワイト・ノイズを、Clock in に LFO をつなぎ、Output を VCO につなぐ。これにより、一定間隔で出力されるランダムな音程が得られる。1970 年代には、ただこの音だけ使った現代音楽モドキが多かった。以下にそのサウンドを掲載する。
・S/H を利用した有名な演奏として、ELP のアルバム「恐怖の頭脳改革」(またはライブ盤)中の「悪の教典#9、第一印象」のパート1とパート2をつなぐ部分、また S/H を VCF に送り一定間隔で変化する音色に合わせて演奏を行っているヤン・ハマーの「万物の創造(First Seven Days)」中の「Sixth Day - The People」、さらに同じヤン・ハマーがドラマーのトニー・ウィリアムスと演奏している「The Joy of Flying」の「Eris」がある。