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Chamberlin M-1:

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   概要  ウンチク  その他

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  ウンチク :

● 1950 年代から製造されていた元祖サンプラー。写真の M-1 は 1970 年代に入って製造された量産タイプのモデル。

 鍵盤分のテープレコーダーが入っていて,キーを押すごとにテープが回りだし,あらかじめ録音された音が再生される。 Chamberlin ではテープが 8 トラック,ヘッドがステレオ仕様であるため,8 つの音の中から 2 つをステレオで鳴らすことができる。音色選択はトーン・セレクターで行うが,ここには 6 種類の音の組み合わせがセットされている。

 セレクターを動かすとヘッドが移動して以下のような組み合わせで音を出すことができる。


 トーン 1:効果音/トランペット,トーン 2:フルート/チェロ
 トーン 3:トランペット/オルガン,トーン 4:チェロ/バイオリン
 トーン 5:オルガン/女性ボーカル,トーン 6:バイオリン/クラリネット


●ハリー・チェンバリンはその後,この楽器のアイディアをイギリスのブラッド・マチック社に持ち込み,歴史的な楽器 Mellotron が誕生することになる。

●初期の Chamberlin はテープをループにしていたようだが,後期のものは Mellotron と同じように鍵盤を押すとテープが動きだし,手を離すと巻取られる設計になっている。 Mellotron ではテープ巻取りをスプリングで行っているが,M-1では巻取り専用モーター(つまり2モーター方式)を使用している。


● Chamberlin のサウンドは Mellotron のものよりクリアで抜けが良い。特にトーン 4のチェロとバイオリンの組み合わせは絶品であり,手に入れたら絶対に多用したくなるだろう。


● Chamberlin も Mellotron も鍵盤を弾くと内部でテープがキャプスタンに押しつけられピンチローラーが回って音が再生される。そのせいか鍵盤を弾く感触は独特のネバっとした感じがあり,慣れないとかなり弾きにくい。また調整の具合によってはベロシティー(この時代にはない言葉だけど)が有効になり,微妙なタッチにより音を表現できる(特にゆっくり鍵盤を押さえた場合)。


● Chamberlin の売買やスペア・テープの販売は, MELLOTRON ARCHIVES が行っている( Mellotron の解説参照)。また,うまくすればハリー・チェンバリン氏のご子息(といってもかなりのお年だが)から直接購入することもできる(現在も購入可能かどうかは不明)。

● Chamberlin にはこの M-1 の他にも,M-2 や M-4,リビエラといったモデルがある。特にM-4 は M-1 が 4 台入った巨大なキーボード(別名仏壇)である。置き場所があれば欲しいところだが,持ち運びだけはしない方が賢明である。

● Chamberlin を使用しているアーティストとしてはマグマ,アンブロシア,XTC などがいる。使用アルバムとしてはマイケル・ペンの『フリー・フォー・オール』や,スザンヌ・ベガ,クラウデッド・ハウスなどが有名である。


●ジャケット写真(Closer to Doom)に Chamberlin やメロトロンを並べまくってるバンドに Big Elf なるハードロックバンドがある。こだわりまくってて結構イケます。良く聞くと Chamberlin とメロトロンの違いが分かってお得かも。


●トーン 1 の効果音には動物の鳴き声からサイレン,コミック・サウンドまで各鍵盤ごとに多数の音が録音されている。特にTV番組の笑い声っぽい S.E. は古き良き時代のホーム・ドラマを連想させて微笑ましい!

●トーン 3 のオルガンは単純なエレクトリック・オルガンの音だが,ビブラートがかかっていないため,鍵盤の奥についているネジでテープのヘッドタッチや,プレッシャーの度合いを調整するときのテスト・トーンとして利用すると便利である。

●トーン 5 に入っている女性ボーカルはビブラートありのソロ・サウンドで, Mellotron のコーラスのような荘厳な感じではなくバッキングに薄く流せるようなタイプの音である。

● 1977 年に作られた M-1 は,雑誌に広告が何度か登場している。広告の画像を参照すればわかると思うが,この広告のイラストを見て Chamberlin 購入を思い立つ奴がいたら,ただのバカである!


●そういうわけで,手弾きでプログレッシブ・ロックをやりたい人には絶対におすすめである。もし,30 万前後で売りに出ていたら,買っておくべきだろう。もっとも買うときにはモーターとテープの状態は充分にチェックして購入するようにしましょうね!


外部とのインターフェイス

CV/ゲートのイン/アウト:なし

MIDI:アメリカで改造した奴がいるらしいが,やめといたほうがいいでしょう。