Analog Synthesizer Lecture

Kyrie Eleison の音作り

   a:概要   b:詳細

b:詳細


1.ストリングスの音:

 ストリングスはArpの古いストリングスアンサンブルを使用しているため、下図のように上下2つのフレーズに分けて演奏してミックスしないと、上下の音量バランスが悪く(下のパートが大きく聞こえてしまう)なってしまうため、各々をバラバラに演奏し、それを後でミックスして音作りをしている。

M3PlayEx


 上記スコアの音は以下の通り。

上のパートのみ

 

下のパートのみ

 

上下のパートをミックス(下のパートは16分音符ディレイさせている)


 曲中ではこれを気合いで延々手で弾き続ける。以下はブリッジ部分のストリングスのスコアとその過程の音である。


M3BrEx

 

上のパートを気合いで手弾き!

 

下のパートも気合いで手弾き!機械になりきって弾く事!

 

下のパートを16分遅らせてミックス。

 

で、上記が完成品の中に入ると、こんな感じ。


 


2.ベースの音:


ロシア製コンプをかけまくって作った Minimoog のベースサウンド


 


3. リングモジュレーターの使用::


 中間部のシンセソロ前に、効果音のシンセサウンドが登場するが、ここでは Minimoog で作った発信音がいまひとつ迫力不足だったので、プロツールスの Hyperprism というプラグインのデジタルリングモジュレーターを、オートメーションでメチャメチャにコントロールして独特のサウンドを作り出している。

 

RMscreen

 

リンモジュレーターを使用しないオリジナルサウンド:

 

リンモジュレーターで音を加工したサウンド

(サンプリングレートの関係で高い周波数の音までは聞こえない)


 


4.初期のテークバージョン:


  一番初期に作成したキリエ・エレイソンのテーク。

 ストリングスのシーケンスには Vintage Keys が使わている。またベースなどのフレーズも微妙に違っている。

 ボーカルの歌詞はレクイエムを使用している。よく聞くと最終バージョンとはかなり違っているのがわかる。

 

オリジナルバージョンの音を聞く



 ←前へ